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- 眼鏡越しの風景EP64-転地-
前回は洋服の買い方についてエッセイを書いたわけですが、今回はその後、自分の中の旬を過ぎた洋服たちの行く先ついて書いてみようと思う。
今年のセールで4着を迎え入れたことにより、我が家の手狭なクローゼットはついに洋服が溢れかえってしまった。どれもこれもお気に入りでなかなか手放せないのだが、そんなことを言っていると家が洋服だらけになってしまうので、ここ3年ほど着ていないものを思い切って手放すことにした。
今回、手放す7着はこちら。
①定番の一着、ネイビーのダッフルコート
②幼馴染ちゃんとおソロで買った、これまたネイビーのセミロングのダウンコート
③一度も袖を通さずに眠っていた、ポケットのたくさん付いたベージュのコットンブルゾン
④裏地のストライプがお洒落、表地はマットな黒のジャケットコート
⑤紫やピンク、緑や黄緑、紺のウール糸でジャガードに織られた、ヴィヴィドカラーのセミロングコート
⑥ソフトデニムの生地がふんだんに使われたフレアスカートのウェスタン風ワンピース
⑦英国風ビートルズファションを思わせるスタンドカラー、細身のブラックコート
迎え入れた数よりプラス多い枚数を手放すのが、断捨離のコツ。そしてクローゼットに入らない枚数は持たないことこそが一番大切なミニマムな暮らしのルールなのだが、これは時々守れずに溢れてしまうことも多々あり。片付のHOW TO本に、「要らないものは、人にあげてはいけない」と書いてあったので、それに従って以前、洋服をゴミ袋3つ分、豪快に処分した話を友人にしたら、「えー!あのスカート欲しかったのにぃ~!捨てちゃったの!?」とクレームがあり、「クローゼットの断捨離をする時は、一言私に聞いてほしい」と言われたのだ。彼女が我が家のクローゼットの中身を把握しているのも笑えるが、まさか会った時に一度だけ着ていた洋服を覚えていて、着てみたいと思われていたことにビックリしながらも、センスを褒められたようで、ちょっとうれしかった。確かに大きなフレアが特徴的な変わった形のスカートで私も母もお気に入り。珍しく母がお店で見つけ、娘に着せたいと後日、二人でお店に行き、買ってくれたものだったので、友人の目の付け処もなかなかであった。
さて、今回は違った形で着なくなった洋服の行き先を決めることにした。①ダッフルコートは仕事先のダッフル好きの後輩ちゃんの元へ、②ダウン③ブルゾン④ジャケットコートの3着は、細身で活動的な母に似合いそうなので実家へ、⑤セミロングコート⑥デニムワンピース⑦ブラックコートの3着は、まだまだ第一線で誰かに着てもらえそうなので、ネットを使って売りに出すことにした。洋服はこういうサイトでも無数に出品されているので、数枚出品したところで、すぐに次から次にupされる他の情報に埋もれてしまう。基本の商品情報はもちろん必須なのだが、ここでひと工夫が必要なのだと、洋服好きの自分に出来ることを考えた。ただ洋服の情報を書くだけではなく、流行りのウォレットバックやブーツと組み合わせ、コーディネートをすると可愛く素敵に着れます、というように具体的なコメントを書き添えてみた。その効果は絶大で出品した洋服が翌日、翌々日と値引き交渉もされずに、知らない内に売れていたのだ。気に入って購入したもので、買った時の気持ちが思い出され、簡単に処分するにはあまりにも辛い、だけど、私はもう着ることはなく、部屋の奥で眠っているくらいなら、どこかの誰かに着てもらえた方が、私も洋服も幸せだ。
お別れの日は、今までのありがとうの思いを込め、丁寧に畳んで梱包し、また届いた先で大切に着られることを願いながら、サヨナラをした。
♪My Favorite Song
コートを買って 古内東子