眼鏡越しの風景EP63-洋服-
- 2022/2/12
- yukkoのお眼鏡
最近はお出かけの機会も減り、去年、一昨年は、“お洋服も要らないよね…”という空気が洋服好きの私にさえ漂っていた。ふと顔を上げると、クリスマスもお正月もとうの昔に終わり、街中にはSALEの文字があちこちに溢れていた。2年ぶりにどこか懐かしい感じさえする街の風景。未だ気ままにウィンドウショッピングとはいかないので、今回はスマートフォンを片手に事前にオンラインショップで、色やデザイン、サイズ、そして一番気になるセール価格をチェックし、ピンポントで効率よくお店を廻ることにした。
近頃は気に入ったショップを無料会員登録しておくと、『週末限定2000円引きの電子クーポン』や『2着買うと更に10%引き』など、お得な情報を不定期にお知らせしてくれる。確かに、このことを知らなくても別に損はしないのだけれど、得はしないというシステムになっている。お店の商品在庫も手元のスマートフォンで全てチェックが出来るし、さらに全国どこの店舗に在庫が有るかまでわかってしまい、そのお店に買いに行くことも出来れば、近くのお店になくとも、遠くの県外の店舗から取り寄せ、自宅まで郵送や最寄りの店舗での受け取りも可能なのだ。とにかく便利、そしてついつい買い過ぎてしまって、なかなか大変だ。昔なら、SALEの文字の誘惑にもめげず、足早にお店の前を通り過ぎる手が通用したが、今はどこにいても24時間365日いつでもスマートフォンを開けば、お店が開いているのと同じ状況となり、しかもボタンをポチっと一押しすれば、家から一歩も出ずして、数万円を余裕で遣えてしまう。もちろんそこは慎重派な私ゆえ、そんな大金を一気に遣う勇気は持ち合わせていないので安心だが。
さて、数日ネットショップとにらめっこした私は、ターゲットを数点にしぼり、いざ実店舗へ出かけることにした。冬は寒くて肩をすぼめたくなる季節、心理的にも暗い色の洋服を選びがちなところを、あえて胸をはり明るい色を着る!を今年のテーマにした。試着はだいたいお仕事帰りの平日に行く、お店も空いているし、試着室もサクサク利用でき、店員さんものんびりしていて余裕があるので、流行りのコーディネートのアドバイスを貰ったり、「週末に割引クーポンが出ますよ」とか、仲良くなるとこっそりそんなことも教えてくれ、なにかとイイコトが多い。なんとか閉店までに急ぎ足で3店舗を廻りそれぞれ試着ミッションをこなした。サイズ感、着心地、生地の質感、ネットの写真ではわからなかった縫製やボタンの形状、襟や裾のデザイン感など細かい部分を確かめ、お店の中の在庫状況をチラ見しながら、とりあえずその日は一旦帰り、週末を待つ。週末はプラスαの特別SALEが開催されることも多いのでオススメ。
“絶対買い逃したくない物”
“この値段まで下がれば買いたい物”と、
自分の中でランク分けをしておくのも、上手な買い物術だと思う。それを基準にすれば、“安い”という魔力に惑わされ、つい買ってしまい、結局ほとんど着なかったという失敗は少なからず防げるだろう。迷った時は一旦買わずに帰り、家でいろいろ用事をこなしている途中にも「売り切れたらどうしよう」と、心配でソワソワしてしまうくらいなら買うことにしている。今回は在庫状況にまだ余裕がありそうだったので、“SALE”はスルーして、次の段階のアパレル業界でいう、いわゆる最終セールを意味する“SOLD”まで待ち、レモンイエローのノーカラーのコートと、流行りの赤と青のウール素材のチェックのショール、森の中で遭遇したら白熊に間違えられると揶揄されながらも買ったボア素材の切り替え柄のハーフコート、そして目の詰まった素材感と着心地に一目惚れした淡いブラウンのフリースブルゾンの4着。試着の時に着心地と着用イメージが違った、ボックスプリーツのワンピースとニットは残念ながら落選となった。
毎回、あまりに真剣な下調べの元、買い物をするので何年経ってもクローゼットの一着一着には愛着があり、購入時のエピソードをすべて語れてしまう。
お気に入りの洋服にストーリーあり!
♪My Favorite Song
買い物ヴギ UA