眼鏡越しの風景 EP12‐習慣‐
- 2020/2/29
- yukkoのお眼鏡
[白ごはんを守る会:会員番号1]
ごはんが大好きな私。
人にはあまり話していない自分ルールがある。
食事の始まりから、終わりまで、白いごはんを守るという自分の中の鉄の掟だっ。
子供の頃、大好きだったふりかけも
大人になってからのごはんのお供、明太子や納豆も、ちょこんとお茶碗の端にのせ、のせた部分は一気に回収し、口へ運ぶ。
そのあとはまた、何事もなかったように、白い世界がお茶碗に戻る。
物心ついた頃から、おかずというカテゴリーのものとごはんをお茶碗の中で混ぜるということが出来なかった。
(マイルール上、口の中で合流させるのはOK)
丼の食べ方のこだわりもなかなかで、親子丼やカツ丼など食べ進めた後、器の底に残る出汁に、ごはんがチャプチャプ少し浮いているのがどうも苦手だ。
ごはんには、カツや卵がまとっている出汁のみで充分なのだが、それでも出汁をまとった具材の汁がごはんに染みてこないうちに、急いで食べる。
それもあり、丼はとても早食いになってしまうのが悩みの種であるが、考えた末これが最善策。ちなみに別皿にもらえばという意見もあるが、それはもはや丼ではない。
先日の会食、焼肉店で事件は起こる。油断している隙に「お肉焼けましたよ~」と、焼き網からダイレクトにタレ付き肉を、汚れなき白ごはんの上に、のせられてしまったのだ。
「あっあっ…ありがとうございます。」と、顔を引きつらせながら微笑み、内心は固まっていた。漫画なら、上から下にカチカチカチカチッと石像化、ガーンと倒れる描写シーンだ。
「わっわっ私の聖域、白ごはんにぃー!なんてこったーーっ!」
先方は取引先、もちろん「お肉はのせないでくださいっ」と言えるわけもなく…
急いでタレに侵された領域をお肉ごとお箸で一気に回収、大きな口でパクリ。
ごはんへのタレの浸食を阻止、「間に合った…」安堵感と、口の中に広がる焼肉とごはんのゴールデンコンビの出逢いに、恍惚の笑みを浮かべる。
そして再び、お茶碗の中には平和が戻る。
それにしても、なかなか油断ならぬ会食であった。
日夜 白ごはんを守りながら、今日もお茶碗片手におかずを少し、ごはんを少しすくって口へ運ぶ。
これが私のマイルール。
♪My Favorite Song
日本の米は世界一 打首獄門同好会