今はありません 国鉄有馬線
国鉄有馬線は、現在の三田市にある三田駅から神戸市北区の有馬駅までを結んだ有馬温泉街に始めて乗り入れした鉄道で路線距離12.2km駅数5駅があったが1943年に休止になった路線である。
国鉄有馬線の開通
有馬線は、1913年軽便鉄道として鉄道敷設免許を申請することになり1914年有馬鉄道に対し免許状が下付されることになり、1915年4月16日に開業と同時に鉄道院が借り上げ、国有鉄道線と同様の運営が行われた。そして、1919年に正式に国有化され有馬軽便線となった。
1922年に、有馬軽便線は有馬線に改称されたという。
「有馬駅」は、有馬の人々の大きな期待を担ったもので、時計塔や広い駅前広場を持つ豪華なものとなっており、三田・塩田・新道場・有馬口・有馬の駅があった。1日の運行は上り下りとも7本、約2時間に1本というのんびりとしたものだったという。
国鉄有馬線の休止
1943年、太平洋戦争が激しくなり、神戸有馬電気鉄道と並行していることや、温泉地への行楽路線であったことから国鉄有馬線は不要不急路線として6月30日限りで休止する。
鉄道施設等は国鉄篠山線へ転用されたという。この国鉄篠山線は、マンガンや珪石輸送の為1944年に開業したが、1968年赤字路線に指定され、1972年に廃止されている。
その後国鉄有馬線は再会されることなく、正式に廃止となった記憶はないものの、事実上の廃止となっている。
国鉄有馬線の名残
国鉄有馬線の有馬口駅には、国鉄があった当時から残る駅前橋が現存している。
駅前橋は西宮市の公智神社(兵庫県西宮市山口町下山口3丁目14−30)付近にあり、開通当初は公智神社で盛大な開通報告祭が行われたという。
現在は駅はない為、橋の名前だけが残っている。
国鉄有馬線有馬駅の現在
国鉄有馬駅は現在クリニックになっているが、不思議と建物の形は似ている。
有馬駅前には乙倉橋という橋が架かっているが、この乙倉橋は阪神淡路大震災の時に被害を受け大改修された。橋の欄干には昔この場所に、有馬駅があったことが残されている。