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カテゴリー:yukkoのお眼鏡
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眼鏡越しの風景EP35-横顔
歩く時。 ごはんを食べる時。 手を繋ぐ時。 あなたにとって居心地のいいのはどちら? 右側? 左側? はたまた 誰かの隣? 学生時代の親友は必ず私の左側に居た。大学の構内でも、街中でも。 たまたま右側に来てしまって… -
眼鏡越しの風景EP34-初詣-
子供の頃、初詣というものに行ったことがなかった。 「寒い中、電車で人混みに出るのも大変だしなぁ~。家に居よっ」 わが家の徒歩圏内には神社がないというそんな理由だったように思う。 両親は仕事の初出のついでにお参りしていた… -
眼鏡越しの風景EP33-内緒-
あれはいつの頃か、まだ私は小さく保育園に通っていた。 日が暮れるのもずいぶん早くなり、空には冬の気配が漂っていた。 フルタイムで忙しく働く母のお迎えはいつも閉園時間ギリギリ。 滑り込みセーフの時も多く、先生と二人、もし… -
眼鏡越しの風景EP32-遭遇-
あれは3年前の冬、年末も近く残業で遅くなった私は自転車で帰り道を急いでいた。グラウンドのある広い公園の横を、いつものように通り過ぎようとしたところ「あれ?今のなんだろ?」それは黒く、こんもりとした小さな山だった。 グラウ… -
眼鏡越しの風景EP31-弦月-
『暮らすように旅する』 街の風景と行き交う人々の日常. 買い物袋を提げ足早に過ぎ行くお母さん. 学校帰りお喋りに夢中の小学生. グラウンドでは野球部のノックの音が夕焼け空に響く。 軒先で夕涼みするおばあちゃん. 駅から… -
眼鏡越しの風景EP30-流行-
「うん!似合ってる」大きな鏡に映る私へ、そんな独り言を呟く。 試着室のカーテンをシャーっと勢い良く開けるとお店の喧騒が再び耳に戻る。 「これ、着て帰ります!」 レジの前で、6,980円の値札をぶら下げた私が佇む。お店の… -
眼鏡越しの風景EP29-旅人-
秋になると「旅の季節キターーー!」と夏バテなんか吹っ飛ばし、俄然元気になるのだけれど。 今年はそれも我慢、それで少し元気がない。 いつも、友達との旅行はレンタカー。 一人旅ではまだまだ運転に自信が持てず、私の移動手段は… -
眼鏡越しの風景EP28-新風-
夏休み明け、彼女は情熱の国スペインからやって来た。スカートからスラリと伸びる足、外国帰りだと日本人でさえ、海外仕様に足が長くなるのだと、勝手な思い込みを妙に納得していた。こちらから積極的に話しかけたわけではないが、帰国子… -
眼鏡越しの風景EP27-百雷-
雷が怖い。 年々、ゲリラ豪雨や強力な台風が頻発するようになり、雷に遭遇する確率も高くなっている。 子供の頃はなんともなかったのだが、キッカケは高校二年、夏の終わりのあの夜からだ。その日は夜中に台風が通過するとニュースで… -
眼鏡越しの風景EP26-足枷-
小さい頃はボーイッシュなパンツスタイルが好きだったが、大人になってからはスカートもよく履くようになった。鮮やかな空色のスカート、少し変わったデザインで、パリッとした生地の巻きスカート、動きが柔らかシフォン系の辛子色のもの…