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カテゴリー:yukkoのお眼鏡
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眼鏡越しの風景EP75-記憶-
普段から通りや路地を散策するのが好きな私。 時間があれば電車を乗り継ぎ、未踏の場所へ行ってみたくなる。 冒険好きなわりになぜか方向音痴。 改札を出ると、たいてい目的地とは真逆の方向へ進んでしまう。 そんな私にも、どうや… -
眼鏡越しの風景EP74-旬菜-
梅雨が明けると、初夏の便りが届く。野菜農家の幼馴染ちゃんが育てる、甘~いトウモロコシ。それに出会うまでの人生はトウモロコシの美味しさに気づくこともなく過ごしてきた。日々の料理に使うメインの野菜というよりは、屋台で食べるお… -
眼鏡越しの風景EP73-表情-
所用で県外へ遠出することがあると、なるべくその前後に近隣の観光地を訪れることにしている。普段の旅行とは違い、そういう時はあえて観光地のど真ん中、徒歩圏内に泊まってみる。観光に疲れたら、一旦ホテルに帰って小休憩を取ったり。… -
眼鏡越しの風景EP72-人波-
大阪の地下街は、地下鉄の乗降客や3つもある百貨店への買い物客など多くの人で今日もごった返している。私がその雑踏の一員になって、かれこれ12年。いつものように地下街を横切っていると、何本かある大きな柱にピタリと背中を付け佇… -
眼鏡越しの風景EP71-長靴-
梅雨時期になると、母から初めて買ってもらった長靴のことを思い出す。 私が当時通っていた保育園は、住んでいた高台の団地から長い長い坂を下った先にありました。雨が降ろうものなら、雨水も一緒に坂を下り、ちょっとした小川のように… -
眼鏡越しの風景EP70-背中-
ここ2年遠出していなかった両親を連れ、日帰りで有馬温泉へ出かけることにした。人混みを避け、平日に行くことを決めたものの、なかなか私の休みが取れず、この日帰り旅行が“母の日”と“父の日”のプレゼントとなった。 当日は現地… -
眼鏡越しの風景EP69-花畑-
全開の窓の向こう、目線の先には薄紫色一面のレンゲ畑。運転する父に、前座席の間から顔を覗かせ、「ホラ!ホラっ!」と窓の向こうを指さして興奮気味に言う。 「車、停めて~!」 「あぁ…通り過ぎちゃった」 後部座席で私が足をバタ… -
眼鏡越しの風景EP68-無二-
子供の頃、「みんな持ってるから、買って~!」と言うと、 母は決まって「よそはよそ、うちはうち」と、私の要望を却下する。 毎回撃沈するとわかっていても、万が一を期待して凝りもせずにその後もおねだりしていた。 当時、小学校… -
眼鏡越しの風景EP67-植物-
桜は今が満開。それが終わるとそろそろ若葉の季節がやってくる。庭先やベランダで植物を大切に育てている人を見かけると、季節を紡ぎ丁寧な暮らし方をしていると憧れる。私も常々、お家をいろんな植物でいっぱいにしたいと思っているのだ… -
眼鏡越しの風景EP66-先輩-
会社のデスクを開けると、引き出しの中の配置は新入社員の頃からほとんど変っていない。前職で出会った5つ上のデキる先輩の教えを今も忠実に守っているからだ。先輩は、どんな時も慌てることなく冷静、後輩の指導も口うるさく細かいこと…